OCT(光干渉断層計)について(中川寿一)

2018年9月18日

OCTは光を使って歯の断層画像を表示する装置です.

超音波を使った腹部エコーと原理は似ていますが、超音波ではなく目に見えない光(近赤外光)を使います.

医科では眼底の検査で使われていますので御存知の方もいらっしゃるかもしれません.

虫歯を診断するには、目で見る、器具で軽く触る、レントゲン写真を撮るといった方法がありますが、隣り合った歯と歯が接している部分に出来た虫歯を直接目で見たり器具で触れたりするのは難しい事があります.

その様な虫歯にはレントゲン写真を撮影するのが一般的ですが、OCTを使って診査しようという試みが研究されています.

痛みが無く、また歯を削ったりする事無く歯の内部を観察できるのはレントゲンと同じですが、レントゲンと比べて被曝が無く、リアルタイムで観察出来、なり始めの虫歯の検出が得意で、解像度が高いのが特長です.

現在は研究使用の段階で主に実験室で使われていますが、装置の小型化や、口に入れる部分の大きさや形を工夫する等の改良を経て、将来的に臨床利用される事が期待されます.

歯科医師 中川寿一