子どもの歯磨き

2017年11月10日

院長の長女は家での歯磨きはやりますが、小児科や歯科でなかなか口を開けたがりません。
下顎前突であることは間違いないため、はやく専門医に診てもらいたいのですが、今のところ実現できていません。

そのような話から、小児歯科専門医の菊地先生にコラムを書いていただきました。

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ご家庭でお子さんが口を開けてくれなくて困ることはありませんか? 
歯磨きのとき嫌がって困っていると、多くの親御さんから話しを聞きます。

さて、すべてのこどもが歯磨きが嫌いなのでしょうか?
また、磨いていればむし歯にならないのでしょうか?
答えはイイエです。

乳歯が生え始める時期は離乳開始時期と重なり多様な感触と味に慣れ親しむ大切な時期です。
お腹が満たされ優しい言葉や笑顔にくるまれているとき、あるいは眠くてうとうとしているとき、突然硬くてトゲトゲした歯ブラシを口に突っ込まれ、優しくて暖かいはずのおかあさんの手が唇やほっぺをぎゅうぎゅうしたらどうでしょう?
歯が生えてきたからといって、こどもには歯磨きをされる意味が理解できませんし、こどもの心理状態や口の中の状態を配慮しない歯磨きは、こどもにとって不快な感覚体験として記憶されることがあります。
確かに、歯を磨くことでむし歯の予防や再石灰化の機会を与えることができますが、日常の食事や間食、飲み物の回数や内容、睡眠と言った生活習慣にもむし歯の原因や予防のヒントは隠されています。

本来、歯ブラシはされて嫌なことではなく、親子の至福の触合いタイムだと思いますし、きれいにされて気持ち良いことだと考えます。
つまり、こどもの口の中の状態や心理状態に配慮した歯磨きが大切なのです。
具体的には、[きれいにしてもらうことは気持ちが良いこと=大事にされて幸せな気持ち]と感じられることが大切です。
歯が生える前からの顔や口の周囲・口の中への気持ちの良いタッチがこの感覚を育て、ひいては自分の身体に興味を持ち自分で磨こうとする意欲(セルフケアのこころ)につながっていきます。こどもの意欲を育てながら上手に磨けないところを仕上げ磨きしてあげ、少しずつ磨き方を伝えていきます。 また、むし歯予防には口の中のケアも大切ですが、日々の生活習慣も大きな影響力を持ちます。
具体的な内容については、ご興味ある方は小児歯科担当医にお知らせ下さい。