大学院在学中に作成した論文について(松浦千尋)
2018年8月28日
こんにちは、木曜日に勤務しております松浦千尋です。
私は2017年3月に東京医科歯科大学う蝕制御学分野大学院を卒業しました。
今回はその大学院在学中に作成した論文について簡単にお話しさせていただきます。
現在、虫歯の診断には主にレントゲン写真が用いられます。
しかしながら、レントゲン写真に写る虫歯というのは実は比較的進行したものであり、詰め物などの下の虫歯については尚更、レントゲン写真や見た目で判断することは難しいと言われています。
本研究ではSS-OCT(波長走査型光干渉断層計)と呼ばれる新規の機械を用い、虫歯治療で使用されるコンポジットレジンと呼ばれる樹脂材料の下に虫歯があった場合、その虫歯を検出できるかどうかをヒト抜去歯を用い、調査しました。
結果、SS-OCTでの虫歯の検出精度は非常に高いもので、SS-OCTを初めて使用した歯科医でも、検出が困難と言われている詰め物の下の虫歯の有無を正確に診断することができました。
SS-OCTは被曝なく3D画像をリアルタイムで得られることから、子供や妊婦の方にも優しい診断機器です。
まだ研究段階ではありますが、現在も様々な研究が進められ、実用化される日も遠くないと思います。
このような素晴らしい研究に携わり、歯科医療の発展に少しでも貢献できた事に感謝しています。
掲載内容は
題名Three-dimensional diagnosis of dentin caries beneath composite restorations using swept-source optical coherence tomography
雑誌Dental Materials Journal
2018 Volume 37 Issue 4 Pages 642-649
です。
こちらもよろしくお願いします。
歯科医師 松浦千尋